Apr 152011
 

東日本大震災から1ヶ月が過ぎました。

この大震災で被害を受けた死亡者と行方不明者は3万人近く、多くの負傷者、家を失った方々、離ればなれになった家族、故郷を失った痛み悲しみ、日本国民は元より日本に住んでいる外国人も、世界中の人々からも『なんとかしよう!』という力強い支えが、 これからも被災を受けた方々の励みになっていきます。裸一貫になった状況から立ち上がるには皆さんの助けが必要です。私たち1人1人ができる協力をこの先も続けていきましょう。

福島での原子力発電所の爆発事故から1ヶ月が経ち、今もなお放射能を出し続けている状態と事故の大惨事さから、25年前に起きたチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故(原子力事故で史上最大規模)と同等レベルと発表した。

今 現在もチェルノブイリでは事故現場より半径30km内での移住生活が禁止されている事や、広範囲にわたる放射能汚染によって多くの近隣住民が空気、水、食べ物などから放射線被曝をし発病(多くはガンや白血病)に至った。また妊婦の早産の割合が増えたり、機能障害の子供が生まれたり、小児甲状腺癌(こうじょうせんがん)への影響があったりと人体に与える影響は計り知れません。

私が小学生のころ、『ソ連のチェルノブイリから放射能の雨が降ってくるから傘をさすように!』と学校から言われ、海を超えた遠いヨーロッパの方から風に乗って届くのかな〜?

放射能ってなんなんだろう?とあまり実感はありませんでした。

その後、幾度と起きた国内での原子力発電所の事故には、関東は大丈夫だと他県で起きた原子力発電所の事故をあたかも他人事のように捉え、またニュースで事故が治まったと知ると次第に忘れていきます。

私たちのライフラインである水道、ガス、電気などは都道府県、市町村ごとに決まっていますので、水力や火力、風力や地熱、原子力などの発電を各自が選択して使用する事はできない現状です。(戸建てや会社などの屋上で太陽光や小型風力で発電しているケースは増えています)

今回の事故を契機に私たちの生活電力の供給源をシフトしていかなければならないと強く思いました。

それはこの原子力エネルギーが一歩間違うと人間が立ち入り操作ができない巨大な化け物へと変容し、すべての環境生命体を内から外からと放射線被曝へと導き、あらゆる生物を必要とする人間生活には最大級の有害であります。

生活全般をも見えない放射能から懐疑心を抱き、今日の水は大丈夫か?風向きはどっちか? この食材はどこ産か?雨が降るから外出はやめようとか、常に放射能におびえて毎日を暮らしていく姿が目に浮かびます。

その影響はすでに日本全国および世界各国へ広がり、多くの産業、工業分野、各種事業、などで莫大な被害を生み、会社倒産、店舗閉店、失業などへと生活困難な状況を招いていきます。(カナリアンでは旅行者の予約は、ほぼキャンセルです)

福島の事故付近の住民は生まれ育った土地を離れ、自分の家へ戻れない状況です。それは関東1都7県 (群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉、神奈川、山梨)で使用する原子力発電所を東京電力が福島の土地に建設をしたのです。周辺住民は東北電力を利用しているので、願わずも関東圏で使われている電気の原子力発電所が自宅の近くであるがゆえに、この事故一番の被害に遭っています。

事故現場から半径20kmは避難区域になっていますが、その範囲を仮に横浜を軸として見ると鎌倉から品川あたりの一帯です。この距離範囲に人がいないのを想像できますか?

今なお20km – 30km圏内にいる住民の方達は室内退避から自主避難(健康に影響を与えるので、行く当てや決断ある人は早く非難をという意味でしょう)の指示を受けています。

この福島での事故は、大自然が私たちに与えたメッセージ『人類の危機を人間が創っている』として真意に受けとり、今までのように私たちが疑いなく信じてきた電力会社や国のやる事だから任せて大丈夫とした原子力発電所に対して他人本位な感覚と無関心であり続けてはなりません。

いつの日か新たな大地震が起きないとはいえないこの日本列島で、全国18の原子力発電所にある55基の原子炉から今と同じような爆発事故が起きてから安全性や必要性を考えていては、これからの子供達へ放射能汚染された生活環境と暮らせない土地を与えるのと同じ事です。

今こそ私たちの生活と電力の関係を一から考え直す転換の時期として、本当に望ましい日本の電力とは、今後の日本での原子力発電所のあり方、将来に展望する新しいエネルギーを日本から世界に先駆け、私たちが立ち上がって創出しようではありませんか!

例えば、賛同する方々が100万人,1,000万人で1,000円ずつ出資をして、その全員が日本全国の電力会社の株主になりエネルギーの方針に関与していく事で原子力発電所に頼らない他のエネルギーへと転換させていくのも可能であり、老朽化が指摘されている原子力発電所を廃炉にしていく費用を一人一人の支えによって実現可能だとも思います。

CO2を出さない仕組みが何かないか?放射能を抑える方法はないのか?日本の電力系統50Hz(東)と60Hz(西)を一つにする必要はないか?今の日本の電力発電所の仕組みと現状から今後の解決策を一人一人の異なった見解、様々なフィールドや経験から発見、発案、発明へと結びつき、その芽生る息吹は『100年に一度の天才が生んだ『原子力』は、100万人の知恵を合わせた『新しい力』に等しい』と信じています。

今後、毎週土曜日の午後1時〜3時までゲストハウス・カナリアンでは、この問題を語る場とします。

この問題について居ても立ってもいられない方、私たちが変えていこうと思う方はぜひ来てください。

李 哲也
 
 

参考資料 『隠された被爆労働~日本の原発労働者1 』『Nuclear Ginza』Documentary in english

 
『原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~NHK1 』